キユーピーに学ぶ「ブランド・イメージの作り方」

  ※ベンチマーキングとは、
   「他社の優れている点を学び、自社に活用する」という経営手法です。

   本コラムでは、高い業績をあげている企業の「ベストプラクティス」を探り、
   御社の企業経営・マネジメントに活用できる内容をお届けします。


 ●キユーピー(株)に学ぶ「ブランド・イメージの作り方」

  今回はキユーピーの事例を取り上げながら
  広告宣伝などによる「ブランド・イメージの作り方」
  についてお伝えしていきます。

  キユーピーと言えば、
  キユーピーマヨネーズという商品が
  最もメジャーな商品となります。

  商品説明が必要ないほど、ほとんどの全ての消費者に
  認知されていますし、難なくあのポリボトルの
  商品シルエットを思い浮かべることが出来ます。

  (キャラクターのキユーピーちゃんの方を
   思い浮かべる方もいるかもしれません)

  ちなみに家庭用のマヨネーズ市場のシェアは
  キユーピーが約8割を占めるほど
  独占的なシェアを獲得しています。

  どのように「キユーピー」=「マヨネーズ」、
  「マヨネーズ」=「キューピー」という
  ブランド・イメージの構築に成功したのか。

  ※住宅業界で言えば、
   「地元の住宅会社」=「○○工務店(自社)」、
   ということになるでしょう。

  その成功要因についてお伝えしていきます。


●「宣伝は資本である」

  キユーピー創始者中島董一郎氏が
  キユーピーマヨネーズの発売を開始したのが1925年。

  その当時から中島氏は
  「宣伝は資本である」というこだわりを持ち、
  経営に臨んでいました。

  顧客接点にかかわる全てのものに対して、
  企業としての姿勢、「キユーピーらしさ」を一貫して伝え
  そのイメージを長きに亘って消費者に
  植え付けていこうと画策し、
  発売当初から新聞の30行の突き出し広告の出稿を始めました。

  その突き出し広告は80年以上経った今でも続けられています。

  その広告は決して目立つ存在でないけれど、継続的な視覚への
  訴えかけは、いい意味で「変わらない」企業イメージを
  人々の潜在意識の中に蓄積していきます。

  これも「宣伝は資本である」という創始者の考えが
  明確に貫かれています。

  また、他にもテレビCMやラジオCMなどで俳優の福山雅治が出演している
  キユーピーのCMをご覧になった方もいるでしょう。

  自社のブランド・イメージを宣伝によって作り上げ、
  そのイメージが自社の資本になっていく。

  そんなブランド・イメージの作り方について
  これから具体的なお伝えしていきます。

  ちなみに、広告宣伝によるブランド・イメージの構築は
  一見、時代に逆行しているという見方もできます。

  これだけインターネットが普及し、口コミによって
  消費者が購買行動を決定づける現代に、広告宣伝だけで
  ブランド・イメージは築くことはできない。
  本当に良い商品を作り上げることが
  一番の宣伝になるのではないか、と。

  もちろん、その見方はその通りです。

  しかし、なぜ大手企業が未だにテレビCMを打ち続け、
  雑誌広告に出稿するのか。
  未だに東京の渋谷には企業の看板で溢れています。
  住宅会社もチラシによって一定の集客数を確保します。
  (もちろん消費者も一定の影響をその宣伝から受けることになります)

  大切なのは、「宣伝の影響力」や「効果的な宣伝方法」が
  変わっているのであって、宣伝そのものが力を失っている
  訳ではないということ。

  インターネット媒体の方が影響力が高まってきたことや
  口コミを重視したフェイスブック、もしくは
  リアルの紹介活動による宣伝などの方が効果的など
  手法論が変わってきたのです。

  少し前置きが長くなってしまいましたが
  手法論が変化してきた現代においても活用できる
  キユーピーの取り組み、ブランド・イメージの作り方に
  ついてお伝えします。


●当初から意識していたブランド化

  キユーピーのブランド・イメージの作り方について
  3点に絞ってお伝えします。

  1点目は、「一貫したビジュアル活用」です。

  たとえば、現代でもキャラクターとして活用される
  キユーピー人形は、実は1925年の商品発売時に
  デザインされ、今なお使い続けられています。

  当時では商品マークのデザイン化として斬新な
  試みでしたが、その商品ブランドを象徴するものとして
  現在では、非常に重要なビジュアルになっています。
  (「親しみやすさ」による消費者マインドの支配は
   キューピー人形の大きな功績です。)

  実際に自社のイメージキャラクターを作り、
  広告やホームページに活用されていらっしゃる
  住宅・不動産会社様もあるかと存じます。

  また、キユーピーマヨネーズのポリボトルの容器の
  シルエットも効果的なビジュアル活用です。

  元々、瓶詰めだったキユーピーマヨネーズは、
  1985年に現在のようなシルエットの容器になりました。
  以来、幾多の改良が加えられて、ポリボトル自体の機能は
  どんどん進化しているにもかかわらず、
  容器・パッケージのデザインを大幅に変えていません。

  だからこそ、キユーピーマヨネーズと言えば
  「チューブ状のポリボトル」というイメージが
  老若男女を問わずに浸透しており、
  キユーピーマヨネーズというブランドイメージを
  消費者に根付かせています。

  住宅業界だと、casa cube(カーサキューブ)と言えば
  あの白い真四角の住宅が思い浮かぶように
  商品設計そのものに差別化できるビジュアルを
  採用することで人の記憶に残りやすくなります。


  2点目は、「商品の提案ではなく、食べ方の提案」
  をしていること。

  特にテレビCMを見ている方は実感いただけると思いますが
  1970年代から「野菜の食べ方」をメインに打ち出した
  キューピーの広告宣伝がほとんどです。

  もしテレビCMが思い浮かばない方は
  キユーピーのホームページでCMをご覧頂くことができます。
   http://www.kewpie.co.jp/know/cm/tvcm.html

  マヨネーズを使うことで、

   身体に良い野菜を美味しく食べられる
   野菜嫌いの子も自然と好きになるなど

  商品そのものではなく、付加される機能に着目することで
  新しい需要を喚起させることができます。

  住宅業界でイメージするならば
  正に「ライフスタイル提案」になります。

  「住宅商品の提案」をするのではなく、
  「住まい方の提案」をすることで
  消費者からの信頼を得たり
  消費者の需要喚起・啓蒙につながっていきます。

  ライフスタイル提案と聞くと当たり前に聞こえるかもしれませんが
  意外と自社のホームページが商品説明に終始している・・・
  という例はよくあります。


  さて、3点目は「企業姿勢の明示」です。

  たとえば、1973年にマスコミが
  「あるマヨネーズメーカーが品質の悪いオイルを使用している」
  と報道した時に、キユーピーは真っ先に「安全宣言」と謳った
  新聞広告を出しています。

  新聞の一面を使って「宣誓。キユーピーマヨネーズは安全です」
  というキャッチフレーズの下に、キユーピー人形が
  ポーズをとっている広告が1つ。

  「国家の指示による公的な機関で分析した結果
   キユーピーマヨネーズの安全性が保証されました」
  というキャッチフレーズの下に、実際の分析証明書を
  のせた広告が1つ。2パターンの広告が即座に打たれました。

  どんな業種においても、消費者やマスコミからありもしない
  事象を取り上げられ、攻撃されるという事態に陥るケースはあります。
  (住宅業界もしかりです)

  外部からもたらされる「リスク」に関して
  企業としてどのように対応し、自社のチャンスを広げるのか。

  その企業姿勢を宣伝に組み込むことで
  企業への信頼度が変わってきます。



●ブランド・イメージの構築“も”大切である

  今までお伝えしてきた「広告宣伝」は
  経営の一側面でしかありませんし、
  消費者のブランド体験の一側面でしかありません。

  ただ、だからと言って
  「良い商品を作れば売れる」
  「良い会社は存続・発展する」
  という訳でもありません。

  大切なのは、ブランド・イメージの構築を
  経営の重要な要素・ファクターとして認識し
  戦略的、意欲的に取り組んでいるかどうか、ということです。
  (逆にそればかり得意になってもいけませんが・・・)

  自社のブランド・イメージの構築に成功し、
  ブラッシュアップし続けている住宅会社は、
  集客に強く、伸びているというのは、
  ご理解いただけると思います。

  ぜひ、自社の宣伝について見直すきっかけとして
  お考えいただければ幸いです。

  まずは、自社のチラシやホームページを確認すること、
  他にも、営業ツールや紹介活動についても宣伝と捉え、
  先ほどの「3点の取り組み」が出来ているかどうか
  ご確認することから始めてみてください。

  また、ツイッターフェイスブックをされているのであれば
  流行のソーシャルメディアでどのように自社のブランド・イメージを
  植え付けていくのか、ということも考えていただければと存じます。



●今回のベンチマーク実践(実践期限:1日間)

  ・自社のブランド・イメージの構築について
   どんな媒体で展開し、どのような内容で取り組んでいるか、
   キユーピーの3点の取り組みと照らし合わせながら書き出す。

  ・書き出したものに対して、改善点、アイデアなど思い浮かんだら
   それを実践するためのスケジューリングを行う。

  ※ベンチマーキングとは、
   「他社の優れている点を学び、自社に活用する」という経営手法です。

   本コラムでは、高い業績をあげている企業の「ベストプラクティス」を探り、
   御社の企業経営・マネジメントに活用できる内容をお届けします。


 ●キユーピー(株)に学ぶ「ブランド・イメージの作り方」

  今回はキユーピーの事例を取り上げながら
  広告宣伝などによる「ブランド・イメージの作り方」
  についてお伝えしていきます。

  キユーピーと言えば、
  キユーピーマヨネーズという商品が
  最もメジャーな商品となります。

  商品説明が必要ないほど、ほとんどの全ての消費者に
  認知されていますし、難なくあのポリボトルの
  商品シルエットを思い浮かべることが出来ます。

  (キャラクターのキユーピーちゃんの方を
   思い浮かべる方もいるかもしれません)

  ちなみに家庭用のマヨネーズ市場のシェアは
  キユーピーが約8割を占めるほど
  独占的なシェアを獲得しています。

  どのように「キユーピー」=「マヨネーズ」、
  「マヨネーズ」=「キューピー」という
  ブランド・イメージの構築に成功したのか。

  ※住宅業界で言えば、
   「地元の住宅会社」=「○○工務店(自社)」、
   ということになるでしょう。

  その成功要因についてお伝えしていきます。


●「宣伝は資本である」

  キユーピー創始者中島董一郎氏が
  キユーピーマヨネーズの発売を開始したのが1925年。

  その当時から中島氏は
  「宣伝は資本である」というこだわりを持ち、
  経営に臨んでいました。

  顧客接点にかかわる全てのものに対して、
  企業としての姿勢、「キユーピーらしさ」を一貫して伝え
  そのイメージを長きに亘って消費者に
  植え付けていこうと画策し、
  発売当初から新聞の30行の突き出し広告の出稿を始めました。

  その突き出し広告は80年以上経った今でも続けられています。

  その広告は決して目立つ存在でないけれど、継続的な視覚への
  訴えかけは、いい意味で「変わらない」企業イメージを
  人々の潜在意識の中に蓄積していきます。

  これも「宣伝は資本である」という創始者の考えが
  明確に貫かれています。

  また、他にもテレビCMやラジオCMなどで俳優の福山雅治が出演している
  キユーピーのCMをご覧になった方もいるでしょう。

  自社のブランド・イメージを宣伝によって作り上げ、
  そのイメージが自社の資本になっていく。

  そんなブランド・イメージの作り方について
  これから具体的なお伝えしていきます。

  ちなみに、広告宣伝によるブランド・イメージの構築は
  一見、時代に逆行しているという見方もできます。

  これだけインターネットが普及し、口コミによって
  消費者が購買行動を決定づける現代に、広告宣伝だけで
  ブランド・イメージは築くことはできない。
  本当に良い商品を作り上げることが
  一番の宣伝になるのではないか、と。

  もちろん、その見方はその通りです。

  しかし、なぜ大手企業が未だにテレビCMを打ち続け、
  雑誌広告に出稿するのか。
  未だに東京の渋谷には企業の看板で溢れています。
  住宅会社もチラシによって一定の集客数を確保します。
  (もちろん消費者も一定の影響をその宣伝から受けることになります)

  大切なのは、「宣伝の影響力」や「効果的な宣伝方法」が
  変わっているのであって、宣伝そのものが力を失っている
  訳ではないということ。

  インターネット媒体の方が影響力が高まってきたことや
  口コミを重視したフェイスブック、もしくは
  リアルの紹介活動による宣伝などの方が効果的など
  手法論が変わってきたのです。

  少し前置きが長くなってしまいましたが
  手法論が変化してきた現代においても活用できる
  キユーピーの取り組み、ブランド・イメージの作り方に
  ついてお伝えします。


●当初から意識していたブランド化

  キユーピーのブランド・イメージの作り方について
  3点に絞ってお伝えします。

  1点目は、「一貫したビジュアル活用」です。

  たとえば、現代でもキャラクターとして活用される
  キユーピー人形は、実は1925年の商品発売時に
  デザインされ、今なお使い続けられています。

  当時では商品マークのデザイン化として斬新な
  試みでしたが、その商品ブランドを象徴するものとして
  現在では、非常に重要なビジュアルになっています。
  (「親しみやすさ」による消費者マインドの支配は
   キューピー人形の大きな功績です。)

  実際に自社のイメージキャラクターを作り、
  広告やホームページに活用されていらっしゃる
  住宅・不動産会社様もあるかと存じます。

  また、キユーピーマヨネーズのポリボトルの容器の
  シルエットも効果的なビジュアル活用です。

  元々、瓶詰めだったキユーピーマヨネーズは、
  1985年に現在のようなシルエットの容器になりました。
  以来、幾多の改良が加えられて、ポリボトル自体の機能は
  どんどん進化しているにもかかわらず、
  容器・パッケージのデザインを大幅に変えていません。

  だからこそ、キユーピーマヨネーズと言えば
  「チューブ状のポリボトル」というイメージが
  老若男女を問わずに浸透しており、
  キユーピーマヨネーズというブランドイメージを
  消費者に根付かせています。

  住宅業界だと、casa cube(カーサキューブ)と言えば
  あの白い真四角の住宅が思い浮かぶように
  商品設計そのものに差別化できるビジュアルを
  採用することで人の記憶に残りやすくなります。


  2点目は、「商品の提案ではなく、食べ方の提案」
  をしていること。

  特にテレビCMを見ている方は実感いただけると思いますが
  1970年代から「野菜の食べ方」をメインに打ち出した
  キューピーの広告宣伝がほとんどです。

  もしテレビCMが思い浮かばない方は
  キユーピーのホームページでCMをご覧頂くことができます。
   http://www.kewpie.co.jp/know/cm/tvcm.html

  マヨネーズを使うことで、

   身体に良い野菜を美味しく食べられる
   野菜嫌いの子も自然と好きになるなど

  商品そのものではなく、付加される機能に着目することで
  新しい需要を喚起させることができます。

  住宅業界でイメージするならば
  正に「ライフスタイル提案」になります。

  「住宅商品の提案」をするのではなく、
  「住まい方の提案」をすることで
  消費者からの信頼を得たり
  消費者の需要喚起・啓蒙につながっていきます。

  ライフスタイル提案と聞くと当たり前に聞こえるかもしれませんが
  意外と自社のホームページが商品説明に終始している・・・
  という例はよくあります。


  さて、3点目は「企業姿勢の明示」です。

  たとえば、1973年にマスコミが
  「あるマヨネーズメーカーが品質の悪いオイルを使用している」
  と報道した時に、キユーピーは真っ先に「安全宣言」と謳った
  新聞広告を出しています。

  新聞の一面を使って「宣誓。キユーピーマヨネーズは安全です」
  というキャッチフレーズの下に、キユーピー人形が
  ポーズをとっている広告が1つ。

  「国家の指示による公的な機関で分析した結果
   キユーピーマヨネーズの安全性が保証されました」
  というキャッチフレーズの下に、実際の分析証明書を
  のせた広告が1つ。2パターンの広告が即座に打たれました。

  どんな業種においても、消費者やマスコミからありもしない
  事象を取り上げられ、攻撃されるという事態に陥るケースはあります。
  (住宅業界もしかりです)

  外部からもたらされる「リスク」に関して
  企業としてどのように対応し、自社のチャンスを広げるのか。

  その企業姿勢を宣伝に組み込むことで
  企業への信頼度が変わってきます。



●ブランド・イメージの構築“も”大切である

  今までお伝えしてきた「広告宣伝」は
  経営の一側面でしかありませんし、
  消費者のブランド体験の一側面でしかありません。

  ただ、だからと言って
  「良い商品を作れば売れる」
  「良い会社は存続・発展する」
  という訳でもありません。

  大切なのは、ブランド・イメージの構築を
  経営の重要な要素・ファクターとして認識し
  戦略的、意欲的に取り組んでいるかどうか、ということです。
  (逆にそればかり得意になってもいけませんが・・・)

  自社のブランド・イメージの構築に成功し、
  ブラッシュアップし続けている住宅会社は、
  集客に強く、伸びているというのは、
  ご理解いただけると思います。

  ぜひ、自社の宣伝について見直すきっかけとして
  お考えいただければ幸いです。

  まずは、自社のチラシやホームページを確認すること、
  他にも、営業ツールや紹介活動についても宣伝と捉え、
  先ほどの「3点の取り組み」が出来ているかどうか
  ご確認することから始めてみてください。

  また、ツイッターフェイスブックをされているのであれば
  流行のソーシャルメディアでどのように自社のブランド・イメージを
  植え付けていくのか、ということも考えていただければと存じます。



●今回のベンチマーク実践(実践期限:1日間)

  ・自社のブランド・イメージの構築について
   どんな媒体で展開し、どのような内容で取り組んでいるか、
   キユーピーの3点の取り組みと照らし合わせながら書き出す。

  ・書き出したものに対して、改善点、アイデアなど思い浮かんだら
   それを実践するためのスケジューリングを行う。